
護国神社午後4時半
いつ聞いたかわからないような噂と
重く甘いあの子の魅力
目に痛い夕焼けと 踏み外しそうな階段の途中
いまここで死んでもいいだなんて
つまらないことまだ言ってる
石段の上赤いスカートの裾
誘惑が足元を揺らす
始まったような気がした朝も
無かったように笑って終わる
はぐらかした言葉の縁に
苦いような昨夜がにじむ
何も知らない黒い髪
ブラウスの丸襟に揺れてる
健全なふりをしてみても
ここにいるだけで抗えない
終わりなんて簡単に決めないで
だらりと落ちる日を見てる
何もないのに傷ついた気がして
ひざ下の影を眺めてる
ずれた返事や合わない目や
浅いうなずきに見とれたり
試された言葉にぐらついて
帰り道を失くしたくなる